私たちが普段何気なく使っている日本語。それを指導者という立場で改めて向き合ってみると、また違った視点が見えてくるんです。
今回は、カンボジアで日本語を教えていく中で、カンボジアの人たちが見出した「発見」や「感想」をお伝えできればなと思っています。
「す」と「つ」と「ず」ってどれも同じじゃない?
日本語は他の言語に比べて文字の種類は多いのですが、その代わり発音や文法は比較的簡単だと言われています。
確かに母音だけで20何個もあるクメール語に比べれば、母音が五つしかない日本語の音はかなり簡単と言えます。
しかし、そんなカンボジア人でも発音しにくい、聞き取りにくい音があります。
それが「す」と「つ」と「ず」。
特に「つ」はクメール語の音には存在しないため、彼らにとってはひじょーに難しい音なのです。
どうしても「す」とか「ちゅ」とか「とぅ」とかになってしまうんですね。
とは言っても、日本語は発音が少し違うからといってまったく通じないということはないのでいいですね!(クメール語はちょっと発音がおかしいとまったく通じないことが多々あります。非常にシビア…。)
クメール語ではほとんど使わない表現、「受身形」
日本語は受け身の文章をよく使います。しかし、クメール語では一部の表現を除いてこの形を使うことがありません。
さらに、受身形は普通の文章とは「視点」そのものが変わってくるので、その視点をうまく伝えるのがかなり難しかったです。
使役受け身??何それ??
ただの受身形だけでもややこしいのに、日本語には「使役受け身」なるものがあります。ややこしい使役形と受身形の融合体。
使役と受け身と使役受け身の例を出すとこんな感じ。
使役
母はわたしに宿題をさせた。
受け身
わたしは母に怒られた。
使役受け身
わたしは母に宿題をさせられた。
最後の文章の「させられた」の部分がまさに「使役受け身」です。
視点の転換が必要で難度の高い文法ですが、N4で出てきます…。
授業の前に記事を書いているのですが、今日これからの授業もきっと色んな難しさが出てくるんだろうな。
しかし、これを一緒に乗り越えるのが楽しかったりもします。